13年ぶりに増加へ…自己破産を申請する人が増えている

政府もアベノミクスによる経済対策に力を入れていますが、その反面、2016年の自己破産申請者が13年ぶりに増加へと転じました。その原因は消費者金融ではなく銀行に?

■自己破産申請者が13年ぶりに増加

最高裁の統計によると、2016年度個人の自己破産申請件数は6万4637件であった

自己破産件数は03年の24万2357件がピークで、それ以降は減少傾向にあったが、昨年13年ぶりに増加した

■そもそも自己破産って?

自己破産とは、裁判所を通して、借金が免除される手続きのことをいいます

「自己破産」によって、借金はなくなりますが、財産もないという状態から、生活を再出発させることになります

一定の財産を手放す必要はありますが、自己破産を行うことで多重債務の苦しさから逃れることができます

■こうした自己破産増加の原因は銀行系カードローンの拡大?

増加に転じた背景には、無担保で個人に融資する銀行のカードローン事業の急拡大があるとみられる

ほとんどのコンビニATMで利用できる上、ATMの手数料が0円と言う銀行カードローンまで登場しています

■かつて、同じように自己破産者の増加が問題となった事があった

1990年代の増加した個人の自己破産は消費者金融などを利用した多重債務が問題視され、ノンバンク(貸金業者)からの借り入れは年収の1/3までとする総量規制が行われるようになりました

債務者の借金を増やさないようにするために、お金を貸す金額に制限をする

こうすることで、多重債務者の増加に歯止めがかかるだろうということで導入が決まりました

その結果、金融庁によると、借金を5件以上抱える多重債務者の数は、ピークだった約10年前の180万人から9万人にまで減少した

■しかし、銀行はこの規制の対象とはならなかった

ただ、この規制がかかるのは貸金業者だけ。銀行は対象外

カードローンやキャッシングと呼ばれているものには、貸金業法で定められているものと、銀行法で定められているのものがあります

銀行からの借入は総量規制の対象にならない

■結果、銀行カードローンの利用者が格段に増えた

消費者金融やクレジットカード会社によるお金の貸出は減少傾向にあるものの、それに代わって銀行カードローンの貸出が増加している状況

日銀によりますと、銀行によるカードローンなどの融資残高は去年までの5年間で60%増加しています

今度は貸金業法が定める総量規制の対象外である銀行カードローンによる過剰融資が社会問題化しつつある

■カードローンは銀行にとっても大きな収入源となっている

銀行業界は、マイナス金利政策の導入などによる超低金利環境で、利ざやの確保が難しいという苦境に陥っている

マイナス金利制作の影響によって利益の確保が難しいという現状があり、カードローンが大きな収入源となっている

大手行や地銀などは規制の対象外でカードローンなどで融資を伸ばしている

最近は銀行が個人向けカードローン事業を強化しており「こうした動きが自己破産の増加につながっている」(専門家)と指摘する声もある

■こうした経緯から、今後は銀行系カードローンにも規制の可能性が浮上している

金融庁は、返済能力を超える過剰な融資が行われているおそれがあるとして、全国の銀行を対象に融資の実態調査に乗り出しました

金融庁は問題がある銀行には改善を促すとしている

あわせて読みたい